自宅でできる運動療法

当院では毎月第火曜日に糖尿病教室を開催していましたが、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、3月以降教室を中止しています。そこで、糖尿病教室が再開できるまでの間、糖尿病に関する情報を内容をホームページに掲載することといたしました。糖尿病委員会スタッフを中心に皆様に少しでもお役に立てるような情報をご提供できればと思います。

自宅でできる運動療法

リハビリテーション科 理学療法士 北村智哉

糖尿病の治療には3大療法として食事療法、薬物療法、運動療法があります。人間が運動する時には筋肉を動かしますので、筋肉を動かすエネルギーが必要となります。筋肉を動かすエネルギーの燃料には血液中のブドウ糖が使われます。運動をすると血液中のブドウ糖は筋肉の細胞に取り入れられ、エネルギーに変換されます。運動を行うと血糖値が下がるのは、このように血液中の糖がエネルギーに使われるためです。運動療法は血糖だけでなく血圧を下げたり、骨粗鬆症の予防にも効果があるといわれています。 一般的な運動としてウォーキングやジョギングなどがありますが、今回は自宅で椅子に座ってできる運動を紹介します。運動時間の目安を参考に、無理のない範囲で楽しく行ってください。また健康面で不安のある方は適切な運動量について主治医に相談の上、実施してください。

今回の内容

運動時間の目安

  • 一般に適切な運動時間は「週に150分以上の運動」とされています。1日だいたい20分程度を目安に、その日の体調に合わせて運動してみましょう。
  • 運動不足の人は「週に60分程度の運動」から開始しましょう。1日だいたい5分から8分程度を目安に、その日の体調に合わせて運動してみましょう。
  • 運動の強さは体感でご自身が「やや楽である」と感じる程度の運動量で、無理のない範囲で行ってください。
  • 低血糖を防ぐために、運動時間は食後がおすすめです。

股関節の運動

  1. 椅子に浅く腰掛け背筋を伸ばし、両膝は直角に曲げましょう。
  2. 股関節にボールペンを挟むイメージで膝をお臍の高さまで上げます。
  3. ゆっくり膝をおろします。
  4. 1~3を右側10回、左側10回繰り返しましょう。
  5. 1セットを終えたら、すこし休憩してもう1セット繰り返しましょう。

運動のポイント

  • 膝をあげるときに身体を反らさないようにしましょう。
  • 膝をあげる高さはお臍の位置が目安ですが、無理のない範囲で行いましょう。

膝関節の運動

  1. イスに腰掛け背筋を伸ばし、両膝を直角に曲げます。
  2. 膝を真っ直ぐ伸ばします。この時につま先をはできるだけ伸ばし、太ももはイスから離れないようにしましょう。
  3. 膝を曲げて元に戻ります。
  4. 1~3を右膝10回、左膝10回繰り返しましょう。
  5. 1セットを終えたら、すこし休憩してもう1セット繰り返しましょう。

運動のポイント

  • 無理のない範囲で、膝をできるだけ伸ばしましょう。

足関節の運動

  1. イスに浅く腰掛け、両膝を直角に曲げ、床に足の裏全体をつけます。
  2. 両足を同時にゆっくりと踵を上げます。
  3. ゆっくりと踵を下ろします。
  4. 1~3を10回繰り返しましょう。
  5. 1セットを終えたら、すこし休憩してもう1セット繰り返しましょう。

運動のポイント

  • 無理のない範囲でできるだけ床から踵を上げるようにしましょう。無理のない範囲で、膝をできるだけ伸ばしましょう。

まとめ

糖尿病の運動療法として、自宅でいすを使って行う簡単な運動を紹介しました。これらの運動は主観で、「やや楽である」と感じる程度で行いましょう。運動療法は継続することが大切ですが、その日の体調に合わせて行いましょう。運動療法、薬物療法、食事療法を組み合わせて良好な血糖コントロールを心がけてください。
当院では、入院して糖尿病の薬物療法、食事療法、運動療法などについて学んでいただく4日間の「糖尿病教育入院パス」を提供しております。

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